アンジェルマン症候群の治療の研究はここまで進んでいる! 第一弾
― Dr.Weeber 既にASマウスの治療に成功 ―
表題を見て、「何のことだろう?とうとう暑さで頭がおかしくなったのでは…?」と思われた方も少なくないと思います。書いている当人(広報部・水川雅子)もまだ半信半疑なのですが、大事な情報なので取り急ぎお伝えします。
米国には“The Foundation for Angelman Syndrome Therapeutics(FAST)”という組織があります。この組織は、アンジェルマン症候群の治療法を見つけるために設立され、すべてボランティアによって運営されています。
このFASTのHPによると、この二年の間にFASTは治療法の開発に目覚しい効果をあげている研究に資金提供ができるようになった、とのことです。
その目覚しい効果をあげている研究の一つは、Dr.Edwin Weeberによるもので、なんとアンジェルマン症候群の実験用マウスに、神経細胞の機能を助ける医薬薬を見つけたとのことなのです!今のところ、マウス治療の段階に過ぎませんが、この医薬品は早くも米国のFDA(Food and Drug Administration)の認証を受けているということですので、人間に対する医薬品の開発が完了するまでにあと十年くらいの所まで来ているのではないかと思われます。
「でも遺伝子レベルの障害なのだから、治ることはありえないのでは?」という疑問があります。この問いに対する答えとして、アメリカの「Rare Disease Day」というHPでは、Dr.Weeberの研究に関して次のように解説しています。
「アンジェルマン症候群のマウスには、CaMKⅡという酵素が足りないことにより、学習能力や記憶能力に問題が生じていた。もっと詳しく言うと、アンジェルマン症候群では15番目の染色体のUBE3Aの一部分に欠損もしくは変形が起こっていることで、この酵素CaMKⅡが行き渡らず、アンジェルマン症候群の状態(学習の難しさや痙攣、動きのぎこちなさ等)を引き起こしていた。そして、このCaMKⅡは生前には作られていない。生後、生化学的に作られていく。これはマウスだけでなく、恐らく人間にも当てはまると考えられます」。
つまり、どうやら染色体異常といっても、アンジェルマン症候群の場合は後天的な症状であり、このCaMKⅡを補うことで何らかの治療をすることが出来るようなのです。これを書いている私自身、実験を目の当たりにした訳ではなく、まだ研究者や医師の意見を聞いたわけでもないため、現時点では米国発の情報をただ翻訳し、お伝えしている、という状況であることをご理解ください。この問題については、エンジェルの会として、今後もずっとフォローしていき、医師や薬剤師など医療関係者の意見を多数集めて紹介していきたいと思います。
下記のサイトをご参照ください。
http://www.cureangelman.org/default.html
http://weeberlab.com
http://www.rarediseaseday.org/research-hall-of-fame/nominee/dr-edwin-weeber
FACE BOOKをしている方に投票のお願い!
さらに、突然日本のエンジェルの会宛に、Hardy Zantke 氏というFASTのメンバーで、お孫さんがアンジェルマン症候群だという男性から連絡をもらいました。
Hardy Zantke 氏は、この研究にFASTとして更に潤沢な資金提供をしていきたいとおっしゃり、次のお願いをされています。
「FASTは、米国のホームセキュリティ会社Vivint社が行っている“Vivint give back project”という助成金の候補のひとつに選ばれており、FACE BOOKによる投票で最終的に選ばれると2000万円の助成金を獲得できます。FACE BOOKのメンバーは是非投票してほしい。メンバーである限り、誰でも毎日投票できます!」
投票するためには、まずVivint社のFACE BOOK (http://www.facebook.com/VivintHome)にあるlike のアイコンをクリック。
その後は、こちらのリンク(http://www.vivint.com/givesbackproject/charity/43)より、簡単な手順でFASTに毎日、8月27日まで投票することが出来ます!
とのことです。
いずれにしても、アンジェルマン症候群の研究に潤沢な資金が提供できることは、望ましいことだと思います。どうか、お知り合いにもお伝え頂き、投票のほど、ご協力をよろしくお願いします。
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