アンジェルマン症候群について

img02 アンジェルマン症候群の人々は、素晴らしい笑顔と温かい人柄を持っています。

てんかんのコントロールなどが出来ていれば、幸せに健康的な生活を送ることが可能です。

主な特徴は、発達の遅れ、発語がない・あっても非常に少ない、運動障害、てんかん発作、睡眠障害、色素異常、といったものがあります。

100%見られる特徴

□重度の発達遅延
□言語障害(まったくない、もしくは最低限の発語)
ただし、言語理解はよく、非言語でのコミュニケーション能力が見られる。
□動作やバランスの異常(失調性歩行や手足の震えも見られる)
□嬉しいときなどに手を羽ばたかせる
□頻繁に笑ったり微笑んだりする。とても幸せそうな様子をする
□興奮しやすい性格(特に嬉しいとき、楽しいとき)
□多動、集中力の短さ

80%のAS児に見られる特徴

□頭囲の発達の遅れ。2歳までに小頭症が分かることが多い
□けいれん発作が3歳前後から始まる
□ゆっくりとした棘波と三相波の、特徴的な脳波が広い範囲で見られる

20~80%のAS児に見られる特徴

□扁平な後頭部
□後頭部の溝
□突き出た舌
□舌の使い方が下手。嚥下障害
□あごが突き出ている
□大きな口。歯と歯の間が開いている
□しばしばよだれを垂らす
□かむ動作、口をもぐもぐさせる
□斜視
□色白、明るい髪や目の色(欠失タイプのみ)
□大きめで高い鼻
□暑さに弱く体温調整が下手
□睡眠障害
□水に惹きつけれ、魅了される
□歩行時に肱を曲げ手をあげてバランスを取りながら歩く

原因

15番染色体上にある原因遺伝子Ube3aの働きが失われることで引き起こされます。

タイプ

タイプは大きく分けて5つあります。

【1】欠失
全体の70%。症状は典型的です。高精度の染色体分析(FISH法)で検出されます。原則として突然変異で、遺伝性はありません。

【2】片親性ダイソミー
全体の5%。15番染色体が両方とも父由来。症状は欠失タイプに比べ軽い。診断のためには両親の血液検体も必要。突然変異で、遺伝性はありません。

【3】刷り込み変異
全体の5%。家族例があり、遺伝の可能性があります。多くは突然変異ですが、15q11-q13領域に存在する刷り込みをコントロールする部位に非常に小さな欠失が存在する場合は遺伝性となります。症状は欠失タイプに比べて軽い。診断には、DNAメチル化テストが必要。

【4】Ube3a突然変異
全体の10%。FISH法、DNAメチル化テスト、多型解析では正常と出ます。遺伝の可能性があります。症状は、欠失タイプと、片親性ダイソミー・刷り込み変異の中間です。

【5】不明
臨床的にはASだが、遺伝学的検査において前述の4タイプに属さない。
1965年(昭和40年)
英国人医師ハリー・アンジェルマン博士が彼の診察していた3人の患児について“Puppet Children”という論文を発表。

1980年代
米国フロリダ大学で、チャールズ・ウィリアムス博士の監督によるアンジェルマン症候群の研究がスタートする。

1982年(昭和57年)
“Happy Puppet 症候群”から“アンジェルマン症候群”へと障害名が変更に。

1987年(昭和62年)
欠けている母親譲りの15番目染色体こそが、アンジェルマン症候群の遺伝子マーカーであることを発見。

1997年(平成9年)
ジョゼフ・ワグスタッフ博士とアーサー・バーデッド博士がUBE3Aの突然変異もしくは欠損がアンジェルマン症候群を引き起こすことを発見。

2007年(平成19年)
アンジェルマンモデルマウスで、神経学的欠損が好転。

2011年(平成23年)
ベン・フィルポット博士が、アンジェルマンモデルマウスで作動しない父親譲りの15番染色体をスイッチオンさせる方法を発見。

現在
数種類の治療薬の治験に取り組んでいる。