第四回アンジェルマン症候群国際会議に参加してきました

水川です。10/1から10/3、イギリスのリバプールで行われたThe 4th International Angelman Syndrome Scientific Conferenceに参加し、7日に帰国致しました飛行機
その簡単なご報告と今後の課題についてお伝え致します。
10/1は夕方6時頃にリバプールに到着し、会場で宿泊先でもあったリバプール町の中心にあるマリオットホテルの2階のレストランで、13か国から集まってきたサポートグループの代表たちとwelcome dinnerを共にしました。13か国の内訳は、英国(A.S.S.E.R.T、Pit-Hopkins UK)、オランダ(Nina foundation,Angelman Syndrome Nederland)、スイス(A.V.S)、フランス(AFSA,3日からSaFのメンバー二人も合流)、ドイツ(Angelman e.V)、ベルギー(Angelman Syndroom Belgie)、ポルトガル(ANGEL-Associacao Sindrome de Angelman Portugal)、フィンランド(Finnish Angelman Syndrome Society)、アイルランド(ASI)、ハンガリー(Humgarian Angelman Syndrome Foundation)、ポーランド(Fundacja Angelmana)、イタリア(ORSA)、それに日本から私です。他に、三名の科学者で構成された委員会メンバーであるAngelman Syndrome Alliance Scientific Advisory Boardの人たちも合流しました。

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10/2は、Alder Hey Education Centerに場所を移し、アンジェルマン症候群にまつわる科学的なシンポジウムが開催され、世界中から集まった13人の研究者(そのうち一人は製薬会社の人)がプレゼンを行いました。その科学者や内容の詳細はまた会だよりやブログでお伝えしたいと思います。やはり英国とオランダの研究者が多い印象はありましたが、非常に興味深い内容だったことを取り急ぎお伝え致します。夜は夕食を共にした後、パブに場所を移して歓談しました。ビール
10/3は各国から集まったサポートグループのメンバーで構成されるAngelman Syndrome Allianceの委員会が行われました。イタリアの会議の際に、この同盟が調印され、日本も同盟に加わったカタチとなりましたが、同盟の趣旨は各国のサポートグループ(親の会)が一致協力しあって、期待できる科学者のアンジェルマン症候群に対する研究を支援しましょう、という、ものです。最低でも2年で5,000€を各々の国が集めて、これを選ばれた研究者に資金提供することになっています。(1年で2,500€という計算になります)日本では親の会がスポンサー等から募金を集めるという活動をしていないので、今までこの資金提供には協力をしておらず、同盟に入っているようでいても、正式には入っていないという宙ぶらりんな状態できています。
今回は新たに同盟にドイツとポルトガルのサポートグループが入り、この会議に参加している国で同盟国入りしていないのはフィンランドと日本だけとなりました。(ポーランドとハンガリーは今年初めてこの会議に参加しましたが、同盟国入りする意思は見せていません。スイスの代表は委員会には欠席) 提供している金額はまちまちで、イタリアとフランスとポルトガルが最も多く60,000€。ドイツが15,000€、英国が12,000€と続き、あとベルギー、アイルランド、オランダの3国は5,000€となっています。
今回も日本としてはまだ資金は集められていないことをご説明しましたが、一方で初回のオランダの会議から4回とも参加し、この会議と同盟の趣旨に賛同していることを説明。同盟国に入りたいという意思表示をしました。実は話し合いの中でアメリカの話が出て、既に研究費を多く提供してもらっているアメリカの科学者や研究には資金提供せずヨーロッパの研究に絞ろうかという議論がありました。その際、私からヨーロッパだけに絞るのであれば、私たちの国としては資金を集めることは難しい。国境を設けず、期待できるような良い研究に資金提供するというなら、考えたいと意見を申し上げました。その結果、研究には国境は設けないという方針に決まりました。
このような経緯で、現在日本は正式にはまだ同盟国ではありませんが、non-officialの同盟国という位置づけをされました。相変わらず微妙な立ち位置ではありますが、4年間とも参加して意見を述べ存在をアピールしてきたことは大きいようです。
今回はアンジェルマン博士生誕100年とこの病気が発見されて50年という節目の年ということもあり、最終日の夜にはガラパーティ―が開催されました。イブニングドレスとタキシードで決めた親たちが160人程も集まり、盛大なパーティ―となりました。2014年公開の『ゴジラ』や来年公開予定の『スター・ウォーズ』の監督であるGareth Edwardsさんが、姪がアンジェルマン症候群ということから、この会議のパトロンとなっており、特別にスピーチを行いました。またアンジェルマン博士の姪であるLizHuglinさんもスピーチを行いました。こちらも眠い目をこすりながら、深夜までお付き合いさせて頂きました。ブティック
以上が今回の(文系の)ご報告となります。科学的なご報告は、もう少しお待ちいただければと思います。